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位置情報の把握

位置情報の把握とは?

MDMツールにおける「位置情報の把握」とは、文字通りそれぞれのモバイル端末がどの場所にあるのかを確認できる機能です。

位置情報の把握はモバイル端末管理の機能として便利であり、例えば従業員の現在地を本部で確認したり、モバイル端末が紛失した際に速やかな状況把握を行えたりすることがポイントです。

ただし、位置情報の把握については、従業員のプライバシー保護といった面でも十分かつ客観的・法的に検討しなければなりません。

位置情報の把握はこんな時に使う

  • 外回り中の従業員の位置把握
  • 紛失したモバイル端末の探索
  • 勤怠管理の効率化
  • ホットスポットの把握
  • 危機管理 など

位置情報の把握を活用するメリット

モバイル端末の位置情報を把握することで様々なメリットを得ることが可能です。

業務の効率化

例えば、社外で営業中や作業中の従業員が現在どこにいるのか本部で把握することにより、次はどの場所へ向かうべきかなど適切な指示を出しやすくなります。また、広いテーマパークなどで従業員が集中している場所を本部で確認することにより、現在どの場所で利用者や顧客が集中して対応に追われているのかといった情報をリアルタイムで確認することも可能です。

位置情報と移動履歴を同時に収集できるシステムを採用すれば、従業員の営業報告などを簡略化して業務負担を軽減することもできるでしょう。

従業員が個々に活動する企業において、位置情報の把握は業務効率化に効果的です。

ただし、従業員の管理を目的とした位置情報の把握と、従業員のプライバシーを無視した情報把握の境目は曖昧であるという点も無視できません。特に、会社から常に自分の居場所がチェックされていると感じれば、それは従業員にとって大きなストレスになる可能性もあります。

従業員の勤怠管理

従業員の移動履歴をチェックすることにより、勤怠管理を効率化することも可能です。また、不自然な移動履歴を発見すれば、従業員のサボりや不正を早期発見できる可能性もあるでしょう。

事業報告の内容と移動履歴や位置情報に違いがあれば、虚偽報告をしている可能性も考えられます。

このように、位置情報の把握による勤怠管理や報告内容の検証は、結果的に従業員と企業との間にある信頼関係の強化や分析に役立つ反面、常に監視されているといったプレッシャーを従業員へ与えてしまう恐れもあります。

また、位置情報の把握によって確認できる情報はあくまでも現在地や移動履歴だけであり、「どうしてそこへ移動したのか」という理由まで正しく知ることは困難であることも覚えておかなければなりません。

セキュリティ管理・危機管理

モバイル端末が紛失した際、現在どこに端末があるか確認できるようになれば、端末の回収やリモートアクセスによる停止といった行動へ迅速に移ることもできます。

また、もしも業務中に災害やトラブルなどが発生した場合、従業員のモバイル端末の位置情報を把握することで個々の従業員がどこにいるのか確認、捜索へ役立てることも可能です。

位置情報の把握を活用する際の注意点

位置情報の把握はMDMツールの機能として優れたものですが、適切な使用方法を事前にルール化しておかなければ、プライバシーの侵害やハラスメント、従業員のストレス増大など様々なトラブルやデメリットを引き起こしかねません。

ここでは、位置情報の把握を活用する際の注意点や、それらのルールを守らなかった場合のリスクなどについて解説します。

機能の利用は業務時間内に限定しなければならない

企業によってはそれぞれの従業員へ専用のモバイル端末を貸与し、仕事場だけでなく日常的に所持・携帯させている場合もあるでしょう。しかし、MDMツールの機能として位置情報の把握を利用する場合、その機能の利用時間や情報確認などは必ず「対象となる従業員の業務時間内」に限定することが大切です。

業務時間外にどのような活動をして、どこに行くのかはそれぞれの従業員の自由であり、プライベートな内容です。もし、管理者や上司が業務時間外にも従業員がどこにいるのか位置情報の把握を行おうとすれば、それは業務として適切な範囲を逸脱し、状況によっては犯罪行為として認識されてしまう恐れもあります。

位置情報の把握機能のオン/オフを勤怠管理システムと連携させるなど、適切な仕組みや利用法について正しく検証しておくようにしてください。

機能を利用する目的はあくまでも労務管理である

位置情報の把握を行う理由や目的は、あくまでも各従業員の労務管理を効率化するといったものになります。この部分を最初にきちんと明文化して社内全体で共有しておかなければ、プライバシーの侵害や労使間の信頼関係の崩壊など、様々なトラブルを引き起こしてしまうことになるでしょう。

また、特定の従業員を解雇させるための情報収集ツールとして位置情報の把握機能を利用したり、不当な扱いをするために位置情報を把握した上で指示を出したりといったことは、労働基準法の違反など企業として大きなトラブルの原因にもなります。

位置情報の把握機能を利用する際は、自分たちがどのような目的や条件で機能を利用しているのか、きちんとマニュアルを作ってルールを守ることが大切です。

位置情報へアクセスできる管理者や責任者を明確化する

位置情報を把握できる人間が誰になるのか、情報へアクセス可能な人材の範囲を定めておくことも重要です。

例えばモバイル端末管理の責任者(管理者)だけが位置情報の把握を行える場合、その管理者は各従業員に関して重要な情報を知ることになります。

そのため、管理者はその他の従業員よりも正しく賢明で誠実な業務を行うよう日頃から意識しておかなければなりません。また、移動履歴といったデータを記録する場合、その管理方法についてもしっかりと対策を講じることが重要です。

位置情報の記録などが紛失した場合、重大インシデントの発生として速やかに対処します。

プライバシーの保護や侵害について正しく学び社内で共有する

位置情報の把握機能は、モバイル端末のユーザー側でオン/オフを選択できる場合があれば、管理者だけがオン/オフを選択できる場合もあります。とはいえ、いずれの場合においても、全ての社員に対してプライバシー保護や情報管理の注意項目に関する社内教育や検収を実施して、個人情報の取り扱いや労使間の信頼関係の重要性について理解を深めておくことが欠かせません。

労使間の信頼関係はあくまでも適正な知識や業務の実施によって深まっていくものであり、安易な考えで位置情報の把握を利用した場合、様々なトラブルへ発展するリスクが増大してしまいます。

位置情報を把握する方法

MDMツールの機能によってモバイル端末の位置情報を把握する方法として、大きく2つのパターンが考えられます。

  • GPSを利用した位置情報の収集
  • Wi-Fiアクセスポイントにもとづいた現在地の把握

GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)は複数のGPS衛星から発信される電波を受信して、それぞれの衛星との位置関係から現在地座標を算出するシステムです。カーナビやスマホなど幅広い領域で使用されているGPSですが、言い換えれば衛星からの電波を受信できない状況になれば現在地を把握することができません。そのため、地下やトンネルの中など場所の条件によって位置情報が途切れてしまう可能性もあります。

一方、Wi-Fiアクセスポイントにもとづいた現在地の把握は、文字通りどの場所にあるWi-Fiアクセスポイントに接続しているのかという事実にもとづいて、およその現在地を知ることです。GPSほど正確な座標測定は困難ですが、Wi-Fiへのアクセスが行われた時点で情報が提供されるため、例えば地下などGPS電波が受信できない場所であっても位置情報を把握できる可能性があります。

まとめ

MDMツールの機能として位置情報の把握は便利ですが、一方でプライバシー侵害などリスクも存在します。

メリットを最大化してデメリットを最小化するためには、まず位置情報の把握の内容や目的を明確化して、社内で共有しておくことが大切です。必要に応じてマニュアルやルールを明文化しておくことも大切でしょう。

なお、MDMツールによって位置情報の精度が変動する可能性もあり、それぞれのMDMを比較検討することが重要です。

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